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平成22年前期 [労働生理]
問題 1
感覚又は感覚器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 皮膚感覚の基本的なものは触覚、痛覚、温度感覚で、これらのうち痛覚を生じる痛覚点の密度は、他の感覚点に比べて大きい。
(2) 内耳は、側頭骨内にあって、聴覚及び平衡感覚をつかさどる器官である。
(3) 網膜には、明るい所で働き色を感じる杆状体(かんじょうたい)と、暗い所で働き弱い光を感じる錐状体(すいじょうたい)の二種類の視細胞がある。
(4) 嗅覚(きゅうかく)と味覚は物質の化学的性質を認知する感覚であり、化学感覚ともいわれる。
(5) 深部感覚は、筋肉や腱(けん)等の受容器から得られる身体各部の位置や運動等の感覚である。
答え: (1) (2) (3) (4) (5)
問題 2
呼吸に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 呼気とは、胸郭内容積が増し内圧が低くなるにつれ、鼻腔(びくう)や気道を経て肺内へ流れ込む空気のことである。
(2) 肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われる酸素と二酸化炭素のガス交換を内呼吸という。
(3) 呼吸により血液中に取り込まれた酸素は、血漿(けっしょう)中に溶解して全身の組織に運ばれる。
(4) 呼吸中枢は延髄にあり、ここからの刺激によって呼吸に関与する筋肉は支配されている。
(5) 血液中に二酸化炭素が増加してくると、呼吸中枢が抑制されて呼吸数が減少するため、血液のpHは上昇する。
答え: (1) (2) (3) (4) (5)
問題 3
栄養素の消化及び吸収に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 食物中の糖質、蛋白(たんぱく)質、脂肪は消化管を通過する間に、分解され、吸収可能な形に変えられる。
(2) 食物中の糖質が酸素により分解されてでてきたブドウ糖は、腸壁から吸収される。
(3) 食物中の蛋白質が酸素により分解されてできたアミノ酸は、腸壁から吸収される。
(4) 食物中の脂肪は、十二指腸で胆汁と混合して乳化された後、酸素により脂肪酸とグリセリンに分解され、腸壁から吸収される。
(5) 無機塩、ビタミン類は、酸素により分解されて、吸収可能な形になり、腸壁から吸収される。
答え: (1) (2) (3) (4) (5)
問題 4
心臓の働きと血液の循環に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 心筋は、不随意筋に分類されるが、横紋筋である。
(2) 体循環では、血液は左入室から大動脈に入り全身に供給され、静脈血となって右心房に戻る。
(3) 大動脈及び肺動脈を流れる血液は、酸素に富む動脈血である。
(4) 肺を除く各組織の毛細血管を通過する血液の流れは、体循環の一部である。
(5) 交感神経は心臓の働きを促進し、副交感神経は抑制する。
答え: (1) (2) (3) (4) (5)
問題 5
神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 中枢神経系は脳と脊髄(せきずい)で構成され、末梢(まっしょう)神経系は、体性神経と自立神経から成る。
(2) 脳は、大脳、脳幹及び小脳から成る。
(3) 大脳の皮質は、神経細胞が集まっている灰白質で、感覚、思考等の作用を支配する中枢として機能する。
(4) 小脳には自律神経系の中枢があり、交感神経と副交感神経の働きを調整する。
(5) 自律神経系は、内臓、血管、腺などの不随意筋に分布している。
答え: (1) (2) (3) (4) (5)
問題 6
BMIは肥満度の評価に用いられる指標で、身長と体重から算出されるが、身長170cm、体重70kgの人のBMIに最も近い値は次のうちどれか。
(1) 30
(2) 28
(3) 26
(4) 24
(5) 22
答え: (1) (2) (3) (4) (5)
問題 7
代謝に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 基礎代謝量は、睡眠中の測定値で表される。
(2) 基礎代謝量は、同性、同年齢であれば体表面積の2乗にほぼ正比例する。
(3) エネルギー代謝率は、体内で一定時間内に消費された酸素と二酸化炭素の容積比である。
(4) エネルギー代謝率は、動的筋作業の強度を表す指標として有用である。
(5) 作業は何もせず、ただじっと座って安静にしているときのエネルギー代謝率は、1.2である。
答え: (1) (2) (3) (4) (5)
問題 8
血液に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 赤血球の寿命は3〜4日であり、白血球に比べ極めて短い。
(2) 血小板は、細菌その他の異物を取り入れ、消化できるものは消化してしまう働きがある。
(3) 血液の容積に対する白血球の相対的容積をヘマトクリットといい、その値には男女差がない。
(4) 血液の凝固は、血漿(けっしょう)中の水溶性蛋白(たんぱく)質であるフィブリンが不溶性のフィブリノーゲンに変化する現象である。
(5) 血漿中の蛋白質のうち、グロブリンは免疫物質の抗体を含む。
答え: (1) (2) (3) (4) (5)
問題 9
ストレスに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 外部からの刺激すなわちストレッサーは、その強弱にかかわらず、自律神経系と内分泌系を介して、心身の活動を抑圧することになる。
(2) ストレスに伴う心身の反応には、ノルアドレナリン、アドレナリンなどのカテコールアミンや副腎(ふくじん)皮質ホルモンが深く関与している。
(3) 昇進や昇格、転勤、配置替えがストレスの原因となることがある。
(4) 職場環境の騒音、気温、湿度、悪臭などがストレスの原因になることがある。
(5) ストレスにより、高血圧症、狭心症、十二指腸潰瘍(かいよう)などの疾患を招くことがある。
答え: (1) (2) (3) (4) (5)
問題 10
体温調整に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 体温調整中枢は、間脳の視床下部にあり、産熱と放熱とのバランスを維持し、体温を一定に保つよう機能している。
(2) 産熱は、主に栄養素の酸化燃焼又は分解などの化学的反応によって行われ、放熱は、ふく射(放射)、伝導、蒸発などの物理的な過程で行われる。
(3) 発汗には、体熱を放散する役割を果たす温熱性発汗と精神的緊張や感動による精神性発汗とがあり、労働時には一般にこの両方が現れる。
(4) 発汗量が著しく多いときは、体内の水分が減少し血液中の塩分濃度が増加するため、痙攣(けいれん)を起こすことがある。
(5) 発汗のない状態でも皮膚及び呼吸器から1日約850gの水の蒸発があり、これを不感蒸泄(せつ)という。
答え: (1) (2) (3) (4) (5)